ホーナイの理論9

karen-horney

「神経症と人間的成長」の第11章のタイトルは、「あきらめ――自由を求める」です。

「あきらめ(退却、ひきこもり)」型の人は、拡張型(他者を支配)、縮小型(他者に従属)などと異なり、他者や外界に対して距離を取り、自分の世界に退却して巻き込まれないようにします。
「あきらめ」型の人が、最も重視するのは、自由ですが、これは何かを「~する自由」という積極的なものではなく、束縛や義務からの自由、外部からの要求や圧力からの自由という消極的な自由です。
ホーナイは、「あきらめ」型の人は、子ども時代に、願望や個性の表現が抑制される閉鎖的な養育環境で育ったと述べています。
そのような環境下では、子どもは、自身の内面の生活を守るために超然敵な退却した態度を発達させます。

「あきらめ」の解決を特徴づける主な要素は以下のです。
• 願望の撤回:他者による支配を避けるため、実際の願望を持つこと自体を危険とみなし、欲求を抑制します。
• 感情的な距離:他者との関係において、感情を注ぎ込まないように距離を保ち、親密さや依存を避けます。
• 自己充足:「他者に何も求めなければ、邪魔されない」という取引に基づき、自立性を重視します。

「あきらめ」型の人の生活様式は以下のような三種類が生じます。
1. 持続的あきらめ:社会生活や生産活動をある程度維持できるものの、それらを負担と感じ、日常生活の多くを無意味で負担の大きいものとして体験します。
2. 反抗性:外部の状況や内的な状況に積極的に反抗しますが、その反抗はカタルシス効果をもたらすものの、真の自己実現には繋がりません。
3. 浅薄な生活:情熱や深い絆を避け、表面をなぞるような生活を送ります。

ホーナイが問題視する「あきらめ」は、成熟した受容ではなく、 「どうせ無理だ」「期待しても傷つくだけだ」という自己保護のための退却。 これは外界への関心や欲求を切り捨てることで、苦痛を避けようとする態度です。
ホーナイは、神経症的なあきらめは自由のように見えて、実は自己喪失である。 真の自由は、自己理解と主体的な生き方を取り戻すことで初めて実現すると説きます。

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